去年とは比べ物にならないほどのハイペースで執筆が進んでいます。まもなく第二章が終了し、全体で言うと約1/3が終わったことになりますね。
ただ何というか、最近文章のレベルが上がっていない気がします。以前であれば書けば書いただけ上手くなっているという実感があったのですが、早くも能力打ち止めなのでしょうか?それどころか、過去作品を読んで文体の悪さが気にならなくなっている、とまでは言いませんが、修正すべき箇所自体は見つかりながらも上手い言い回しが見つからなかったりという危惧すべき事態。
例えば、ゴーストやらSK時代の文体の最大の欠点は擬音の使い方で、文章だけで勝負すべき小説においては使うべきではないとある方に言われ、尚且つ本でも読んだことがあるので今でこそほとんどと言っていいほど使っていませんが、あの頃はがんがんに使っていました。やはり文章が幼稚且つ汚らしく見えます。
最近の文章の特徴は地の文が多いということ。それも改行するまでが長いというか句点までが長いというか。一つの区切りまで一行の40文字を軽く越え、段落も多いときは10行以上改行なしということがあります。
改行のタイミングは小学生時代にやった気がするというおぼろげな記憶が頼りという最悪な状況なのですが、以前までの自分であればあまり気にしないことでした。どちらかと言うと改行の多い文章の方が読みやすいと思います。一つの段落が長ければ長いほど1ページに収まる文字数が増えるという相対的なものだけでなく、一息に読みきる量が増えるにつれて自身の頭の中での反芻が難解になるという事象がその原因です。
イメージが湧かなければ英語の授業を思い出してみてください。一つのパラグラフが短ければ翻訳も簡単ですが、接続詞や関係詞、カンマ等で区切られ、ピリオドまでが長い文章、それほど得手でなければたったの2行程度でも苦痛になる読解量となるでしょう。
もう一つは自己の理論や物語独自の理論体系が多くなったということ。誰しも文章を読む際は自身にある基礎的な知識を元に読みます。その中に無いものが多ければ理解するまでに時間がかかるのは当然です。それが専門外の知識であれば尚のこと。単純な心理描写や情景描写だけでなく、特殊な理論が文中に組み立てられているので、先の通り、自然と地の文が増えていくわけですね。
苦手な人には決して合わない内容になってしまうと思いますが、それを理解し、作者と同じように理論自体の面白さに目覚めた人には楽しめるのではないかと思っています。それらの不備を指摘するくらいの勢いでかかってきてもらいたいというのは少し可笑しいですかね。
『BRAIN VALLEY(ブレインヴァレー)』と言う本があります。有名な『パラサイト・イヴ』の作者である瀬名秀明氏の作品で、上下巻に分かれている大作SFです。人類の脳と機械と、そして神。これらを生物学の観点などと併せて纏め上げているのですが、なんと上巻全てが前置き、下巻、それも中盤以降につなぐための設定説明なのです。長い間様々な説明が続きます。分からないものもあります。注釈もありません。読めない人には読めないでしょう。脳外関係の知識を得られるかと思い読んだのですが、面白いです。
瀬名氏の作品は描写が非常に上手く、そして多いです。頭の中に浮かんでくる情景の中で人々の思考が入り乱れ、複雑な世界を構成しています。さすが一流作家。見習うべき点がいくらでもあります。
今回の作品は全体のうち半分ほどに終盤へ繋ぐための布石をばら撒きつつ、世界観と設定の説明を散りばめる予定です。第二章まではそういう形です。
確かにファンタジーなのですが、一昔前のRPGのように魔王を倒すというような明確な目的が初めから立っているような話ではその間の面白可笑しさが必要で、そのセンスが自分に無いことくらい知っています。推理小説のように読み進めていく中で真実や事件の根幹に辿り着くというような構成でないと引き込むことなどできません。技量が無ければ無いなりに考えているんです。
いつも思いますが、小説を読んでいて笑わせられるようなセンスが自分に欲しいです。例えば自分で読んでクスリとでも笑えるような作品があったとします。それを基にした似たようなネタや流用ではそれこそ問題です。とりあえず自分で考えて書いているつもりではありますが、それらも今まで読んできた小説から頭に残っていたネタなのではないかと思ってしまいます。
技量や構成力は培うものではありますが、感性というものに大きく左右されると思ってしまうのは自分だけでしょうか。感性を磨くにはどうすればよいのか。
会話と違い、口調や仕草から相手の心情を読み取ることのできない紙面でのコミュニケーションはとても難しいです。
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