日米野球が終わり、9HRのMLBと1HRのNPB、明らかな差ができてしまいました。
確かにメジャーリーガーの方がパワーは上です。それでは単純に日本人のHRは少ないのでしょうか?
今シーズンの成績を見ていただければ分かるのですが、30本以上打った日本人は10人しかいないのです。メジャーリーガーと人数比で考えればそれほど大きな差は無いでしょう。つまり巷でもてはやされているほどHRは出ていないのです。
このおかげで日本が飛ぶボール、通称ラピッドボールに頼っているということが顕著に現れたのではないかと思います。
日本でラピッドボールを使っているのはHRを増やして試合をダイナミックにするという理由があります。つまり、野球の面白さはHRを初めとする打撃にあると言っているということです。
それならば問いたい。
9回、1-1の試合と8-8の試合、どちらが良い試合なのか?
単純に投手戦、打撃戦という状況ですね。
接戦はどれも甲乙つけがたいかもしれませんが、おそらく前者の場合は守備陣にもファインプレイが出るような緊迫した好ゲームになっているような気がします。
なおかつ試合時間も短縮され、中だるみの無い試合となることでしょう。
野球は打投走守ってです。
これらが絶妙なバランスで成り立っているからこそ野球は面白いのではないでしょうか?
HRが野球を成り立たせているのではなく、全ての要素が必要です。
ファインプレイや盗塁や内野安打や、そういった諸々があるからこそファンは盛り上がるのではないでしょうか?
今年のプロ野球は様々な問題が持ち上がりました。
同時に各球団関係者から色々な発言が取り上げられるようになりましたが、その中で最も気になった発言が、中日が在京球団相手には飛ばないボールを使っているという発言でした。
確かに在京球団はHRが多いです。
誰でも知っているところとなっていたボールの違いは、この発言により疑いようの無い真実として証明されました。
結果今年のセントラルは中日の優勝となりました。
ここで勘違いしていただきたくないことが、中日の批判はしていないということです。
思い返してみてください。今年のゴールデングラブ賞は中日がほとんど持って行きました。それは中日の選手の守備が上手いということももちろんですが、それだけ『守備をしている』ということなのです。
ゴールデングラブ賞は守備機会とエラー数、ファインプレイや守備動作などにより採点されます。ラピッドボールで打球が上に上がっていってしまっては守備にはなりません。
つまり今年の中日はせ・リーグの中で『最も守っていたチーム』ということになります。
それにはもちろん川上投手、岩瀬投手を初めとする投手陣も入っています。
近年の投手防御率は2点台の選手すら稀です。おそらく最後の1点台の先発投手は97年の石井一投手の1.91ではないでしょうか?
今は3点台が普通となりつつあります。
打高投低の時代となっていますが、今年の中日が投高打低の野球らしさを思い出させてくれたのではないでしょうか?
現状NPBの問題はMLBのように統一球が無いということだと思います。
すぐにMLBと同じボールを使えというのは難しいこと、ではないでしょうが、例えば中日が在京球団戦で使用したボールに統一すればよさそうではないですか?
飛ぶボールで統一することは問題ですが、まずは公認球を一つに限定することではないかと思うのです。
上手くまとまっていないので、ラピッドボールへの批判はここで終わりにしようと思います。
次回は飛ぶボールのメカニズム、飛ばないボールのメカニズムを書こうと思います。
ここまで長々と付き合ってくださった皆様方、ありがとうございました。
どなどな